歯のおはなし

雑考3

<雑考③>:

前回に続き、歯の根の治療について?を考える。

根管内の清掃性を求めて過度に機械的・化学的洗浄を適応させると歯の脆弱性を招き、負荷に伴う歯根亀裂・破折の危険性が上昇する。また、せっかく根管閉鎖がうまくいっても、あらたに根管内に達する亀裂・破折が歯に生じてしまうと、根管内に残存した細菌は栄養源を得て再び増殖を始め、亀裂・破折線から歯根周囲に出撃するようになってしまう。亀裂・破折線の確実な閉鎖とその維持は一般に困難であり、根管外への炎症の進展を阻止できなくなってくると、最終的に「抜歯」が選択されるようになる。通常の根管治療では、根尖より先にある起炎物質の除去は極めて困難であり、治療を繰り返しても臨床所見の改善がほとんど見込めない場合は、通常の根管治療を諦めて、歯根端切除術をはじめとする外科的歯内療法、抜歯再植術を併用する、さらには、抜歯を行って別の治療方法を選択する方がよい場合もある。

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