歯のおはなし

ブラッシングで体の中もきれいに(2)

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
前回の続きです。
心臓から出ていった動脈はどんどん細くなり、
毛細血管になって、次は静脈になります。
内臓の組織を通して血管に酸素と栄養を取り入れて
全身に運び、同時に二酸化炭素と老廃物を回収します。
血管を通して水分のやり取りもありますが、当然体内に侵入した細菌や
ウイルス、免疫反応により発生した炎症物質も運ばれます。
歯周病関連菌(Pg菌)が血管内に侵入することで全身の健康に影響を及ぼすこと
が明らかになっています。
1. 動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞)リスクが2.8倍
 動脈硬化症や大動脈瘤に罹った細胞からPg菌が見つかっています。
 Pg菌は血栓を作りやすく、血管狭窄の原因になります。
2. 糖尿病
 炎症物質が、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせます。糖尿病を
 治療すると歯周病が改善し、歯周病を治療すると糖尿病が改善するという
 相関関係にあります。
3.早産(低体重児出産)
 タバコ、アルコール、高齢出産 によるリスクの7倍
 炎症物質プロスタグランジンが陣痛を誘発します。
4. 脳血管性認知症、アルツハイマー性認知症
5. 骨粗鬆症
6. 誤嚥性肺炎
 口の中の細菌が唾液とともに気管支から肺にたどり着き炎症を起こします。
 原因となる細菌の多くはPg菌。
7.関節リウマチ
誤嚥性肺炎以外は、歯周病関連菌が腫れた歯肉から血管内に侵入し全身に
運ばれることによって、それぞれの臓器で炎症を起こし、もともとあった
病変を悪化させたりリスクを増やしたりしているのです。
さらなる研究により、歯周病関連菌による影響がもっと明らかになるかも
しれませんね。
正しい口腔ケアによってそれらを予防できるなら、治療の何倍もの効果が
ありますよね。
いわば健康貯金です。
そして健康診断と同様に、歯の定期検診も年に一度は受けたいですね。
歯は臓器なのです。

 






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