歯のおはなし

<雑考②>:

前回に続き、歯の根の治療について?を考える。

根管内の構造は簡単なホースではなくて複雑怪奇に入り組んでいる。この構造から根管内の機械的な清掃、化学的な洗浄による起炎物質の除去(内部の掃除)が簡単ではないことが理解できる。これまでの報告では、機械的清掃では根管内壁の最大70%までしか清掃できず、治療用器具の進展はあっても、この状況はほぼ変わらないと予想できる。化学的洗浄も根管壁すべて、ましてや象牙細管内全体には行き渡らない。機械的および化学的な清掃には限界があり、また、消毒状態が得られてもその持続性維持に疑問が残る。

根管閉鎖においても、根尖形態および根管充填材料の物性を考えるとミクロのレベルでの閉鎖状態の長期的な維持が簡単ではないことがわかる。治療後の歯の使用期間の長さを考えると、根管治療を行った歯がこの先、数十年にわたって消毒状態と閉鎖状態を維持し続ける必要があるのだが、以上のように時間経過とともに状況は次第に厳しくなってくる。さらに、やっかいなことに、すでに起炎物質が根尖より外にあって根尖孔外で炎症が成立している場合がある。このように、根管内の機械的・化学的な清掃に限界がある、根管の閉鎖環境の維持は容易でない、すでに根管外に感染が成立している場合がある、などがあって容易には根管治療の成功率が上昇しないようである。

「根管内部の清掃は容易でなく、閉鎖環境の維持も困難、さらに根管外に感染がある」→「成功率が上がらないのだ」ということなのだが、それでは、これから先もおなじような状況が続くのであろうか?

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