歯のおはなし

住宅地図(徳島市)

現在では、ウェブ上で地図が閲覧できる便利な世の中になっていますが、それ以前ではどうだったのでしょうか?
歯科医院の患者待合室に徳島市の過去の住宅地図をいくつか置いています。古い順に昭和28年(1953年:日本精密地図出版社刊)、昭和33年(1958年;徳島市地図編纂会)、昭和35年(1960年:ゼンリン住宅地図)となります。いずれも著作権がすでに切れていたので、徳島県立図書館でコピー複製させてもらったものです。検索する限りにおいては、戦後8年経過の昭和28年が現存する県内最古の住宅地図になります(昭和33年は第2版となっており、第1版が昭和28年以前の可能性はあります)。この60年以上も前の住宅地図3冊が、実は、他の週刊誌・歯科関連雑誌などよりも、はるかに「患者さんの注目」を集めるのです。昭和28年~昭和35年当時、小・中学校時代に相当する患者さんが、この住宅地図を食い入るように見て、写真をとったり、近くのコンビニにコピーへと走ったり、果ては当時の昔話を延々としてくれる場合もあります。よく、懐かしい音楽がその当時の記憶を思い出させるといいますが、この地図もまた、遠い記憶を思い出させる手段となっているようです。
 さて、戦前の地図、昭和12年(1937年)になると、これはおおきな1枚ものとなり、市内の重要な施設・建物等は記載されていますが、個々の住宅の位置および住人名は記載されていません。



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