歯のおはなし

ブラッシングで体の中もきれいに(1)

歯を磨くのは大切な習慣だと皆さん認識されていますが、
口腔内の環境は、奥が深いです。
まず、食事は口から入り、消化器官を経て肛門から排出されますが
口から肛門まで管のように外界とつながっているので
厳密には口は体外なのです。消化器の中も体外です。
消化分解された栄養分は消化器粘膜を通して血管に吸収され全身(体内)に運ばれます。
入れ替わりに体内の老廃物が血管を通して回収されます。
血管を通じて体内と体外とのやり取りが行われるのです。
そして、口腔内にも血管に直接つながっている箇所があります。
歯周ポケットと、歯の根の先端の小さい孔(根尖孔)です。
歯茎から血が出た、という表現がありますが、歯周ポケットから血がでているのです。
歯周ポケットは3㎜以下が正常とされていますが、
歯が28本ある方ですべての歯に、5㎜の歯周ポケットがあるとすると
その総面積は72平方㎝程になり、口腔内に慢性的に手のひらほどの潰瘍があることになります。
また、歯の根の中には根穿孔から入った神経、血管が通っています。
神経のある歯には血管を通して栄養が運ばれ、歯の神経に炎症が起これば炎症物質が
全身に運ばれます。
歯も臓器であると言えます。



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